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CEOの履歴書|最低だと自戒したあの時の失敗。

『CEOの履歴書|理科と物理が大好きだった少年が起業するまで。』

CEO浅海さんに聞いたみたシリーズ第二弾!
CEOの履歴書(社長奮闘日記)としてこれまでの失敗エピソードをお聞きしました。

「事業は順調!」 

-前回は創業前と創業初期のお話をお聞きしました。
ようやく事業としてスタートを切られました。

そうですね。ようやく。(笑)

-比較的順調な滑り出しをされたんですか?

そうですね。
何社かとの取引ができるようになってきていました。

-その時はまだお一人でされていたんですよね?

そうです、そうです。
前回もお伝えしたように営業、サイトデザイン、ライティング、サイト構築、運用、サポートまで全て一人でやっていました。

-ハードですね。。。

そうですね。(笑)
でも全てが高いクオリティだったかと言われるとそんなこともなかったです。
サイトの構築、運用、サポートは専門分野でしたが、
営業やライティングは本の力を借りて見よう見真似のレベルです。
ただそろそろ一人で全部やるのは難しいなと限界が見えてきたので、
アルバイトの方を採用して、自分の業務を徐々に渡していってましたね。

「さらなる成長を目指した大きな決断」

-なるほど。

そんな時に、OEMで技術提供していた同業他社の代表から、
今後の事業をどうしようか(もうやめようか)悩んでいるという相談が来たんです。
「やめるの勿体ない!だったら一緒にやろう!」と誘ってお互いの事業を統合することになったんです。
かっこよくいうとM&Aですね。

それまでは、アルバイトの方に業務を渡しているとは言え、同じ目線で業務に携わる人が誰もいない状態でした。
そんな状況の中、ライバル企業の経営者がその人の事業も引き連れて仲間に加わってくれる。
こんなに心強いことはない。

これは一気に加速していける!とワクワクしていました。

一人でできることって限られてるじゃないですか。
僕よりもデザインセンスがあればその方にやっていただいた方が絶対良い。
一人で稼げないわけじゃない。
けれど、その先に会社としての成長がないと言いますか、大きいことができないよねと思っていた時期でした。

この時の自分は良くも悪くもゼネラリストになっていたんですよね。
セールスレターも書くし、コードも書くし、経営の話も多少できる。
でもすべてがピカピカではなく及第点みたいな感じでした。

これではいけないと思って、自分は社長業に専念しないといけないなと課題を感じていて。
なので、新たにジョインしてくれた仲間に業務のぼぼ全てを一任することに決めました。

-全ての業務をですか?

はい、日々の運営業務を全て任せました。
彼もやりたいと言ってくれていたので、
僕はサービスの技術的な保守に少し関わるくらいで事業の9割は任せていた状態です。
すると、いい感じに業務が回り始めた感覚があって、
これは次のステージに行けるぞって思って、僕は次の事業のタネを探そうと動き始めました。

-次のサービスのタネを探す言わば社長の仕事に集中しようとされたんですね。

そうですそうです。
次は何がいいかなぁと。
あーでもないこうでもないとやってましたね。

-ワクワクですね!次は何が生まれるのか!

そうです!
ようやく「これはイケるかも!」と思ったものが出てきて。
ここは心機一転オフィスも移転して、
順調な既存事業と今回考えた新規事業の二つを一気にスケールさせていこうと思って彼に伝えたんですよ!

-新しいサービス考えたよ!あとオフィス移転しようよ!って感じですか?

まさに!
もともと彼の自宅からは約1時間ほどかかる場所にオフィスがあったので、申し訳なさを感じていました。
もっと彼の自宅に近い場所にオフィスを移転しようと。
それをそのまま伝えました。

-いいですね!

まじ?みたいな感じでびっくりしていましたね。(笑)
何度か同じような反応で、いよいよ具体的な場所を決めるかってなった時に…

「思いもよらぬ悲劇。」

-いよいよですね!

辞めたいと言われたんですよ。
退職をしたいと。

-!!!

実はびっくりしていた彼の反応は、辞めることを既に決めていて、
辞めると決意している自分の自宅付近にオフィスを移転しようってなっていて、びっくりしていたそうです。。

なので驚きもそうですが、戸惑いの方が大きかったみたいです。
そんなことに全く気づかず…。
浮かれていたのは自分だけだったとその時にようやく気づきました。

-何が原因だったんでしょうか?

彼とコミュニケーションが全く取れていなかったのか、と聞かれると全然そんなこともなくて。

ただ、結果的には既存事業の今後や未来を考えることをおざなりにしていて、
彼が決めてくれるだろうと勝手に思ってました。

でも、きっと彼はそういった未来を僕と一緒に考えたかったのだと思います。
そんな彼の思いや意志に気づかず、新規事業のことばかりを考えていました。
そんな僕に嫌気がさして結局は去ることになりました。

「自分のことで精一杯。気づかされた大切なこと」

-なるほどですね。。。
その時の浅海さんの感情ってどんなものだったんですか?率直に教えてください。
なんでだよ!っていう怒りですか?まじか…っていう寂しさですか?

失望ですね。自分自身に失望しました。
もう手遅れですが、ものすごい後悔の念がありました。

一緒に働いていて、予兆を察知できなかったこと。
辞めようかどうかを迷っていると相談をされることもなく、辞めることを既に決めていた。
それは、僕と話し合うことすら無駄だと思われたんだなと思いました。

もともと同業他社の経営者をやっていた人間で、相応の覚悟を持って事業に臨んでいる人でした。
それだけの人を辞めさせたのはよっぽどだなと。
相当ひどいことをしたんだと深く反省しました。

-失望という感情が一番大きかったんですね…

そうですね。
この経験から「人に対しての向き合い方」を今まで以上に考える大きなきっかけとなりました。
僕が考えていることをメンバーにちゃんと伝えよう。
下手でもいいので、努力をすること。
そして、相手が考えていることを自分から聞きにいって能動的に相手と関わる姿勢を持つこと。
ものすごく当たり前のことなのですが、僕は自分で体験して初めて気づきました。

<まとめ/学んだこと>
・自分の考えていることをしっかりとメンバーをはじめ、「伝える」ことを大切にする。
・自分から積極的に聞きに行くこと、コミュニケーションを取る姿勢を持つこと。
・コミュニケーションの量も大切だが、質も大切である。

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