自分たちの人事制度は、自分たちで創る。 〜人事部門のない20名規模のITベンチャーが、”社員だけ”で創りあげた新・人事制度が2021年12月より運用開始!〜
コラビットでは、IPOを見据えた今後の組織拡大に対応すべく2021年12月より新・人事制度の運用が開始となりました。「私も一緒に人事制度を考えたい!」と希望する社員だけで、8月から創り上げてきた人事制度創りのプロジェクト。そこに経営者の姿は、一切ありません。
多くの企業では、人事制度は経営者や人事部門で検討され、現場に落し込まれていくものですが、どうしてコラビットでは「自分たちの人事制度は、自分たちで創る」といった、経営陣が人事制度改革の意思決定に関与しない完全ボトムアップの人事制度作りをとったのか。
コラビットが考える「企業とそこで働く人のあり方」や、実際に、今回の新・人事制度策定のプロジェクトに参加した社員のリアルな声をお届けします。ぜひご覧ください。
会社は誰のものなのか
会社は誰のものなのか。この質問に対する答えには、会社の価値観が色濃く反映されるものです。株主や投資家、経営者、顧客など様々なステークホルダーが存在しますが、私たちコラビットが考えるのは、やはり「コラビットで働く社員が”起点”」であるということ。
私たちの武器は、テクノロジーです。そして、そのテクノロジーという武器を活かして、大きな社会問題の壁に立ち向かうためのイノベーションを創出する。テクノロジーとイノベーションの源泉は、人でしかありません。人には、心があり、感情があります。社員が思いっきりパフォーマンスを発揮できる環境が準備されるからこそ、事業や会社は成長すると考えています。
働く社員が”起点”という表現をしているのは、社員に最大限のパフォーマンスを発揮してもらうことで、会社が成長する。そして、顧客にもより良いサービスが提供できるようにもなり、株主や投資家にも還元できるようになる。さらに、一周回って社員にも利益還元ができれば給与として反映されてくる。このように、社員を起点としたステークホルダー全体への価値還元の好循環サイクルを回すことができると考えています。
参加したコラビットメンバーの”REAL VOICE”
人事制度改定のプロジェクトメンバーとして参画をしていたコラビット社員にインタビューしてみました!
(エンジニア:藤本)
– 今回の人事制度改定のメンバーとして参加されたのはどうしてですか?
藤本:
普通の会社ですと、一般社員が人事制度に対して意見できる機会はありません。そんな中で、人事制度の策定から参加できることは非常に貴重な機会だと思いましたね。
エンジニアM:
私もそうでしたね。加えて、私の場合は、コラビットの在籍期間も長くなってきたこともあり、正直なところ、自分の知らない間に人事制度が変わってしまうという不安もありました。そういう意味で、自分が制度設計から携われることは安心感もありましたし、これまで働いた上での改善案も出せると思っていました。
藤本:
私も、コラビットの裁量のある働き方が好きなので、その組織文化を残した新・人事制度にしたかったのもありますね。やる気のある人がガンガン働いて、成果を上げると、しっかりと評価もされて給与が上がっていくという働きがいのある制度なので、そこは継承したいなと思いました。
– どんなプロセスを経て、人事制度を決めていったんですか?
エンジニアM:
リモート・現地参加のメンバーを含めて、毎回、話し合いのテーマを定めて、小さいチームに切り分けて意見をまとめた後に、全体の意見をすり合わせていくというワーク形式で取り組んでいきました。小さいチームに切り分けることで、まとまらない意見も言える余地があって良かったですね。
藤本:
役職(役割や必要な能力)、働き方、賃金といったテーマが毎回設定されていて、チームメンバーで自分の考えを発信し、相手の話を聞き、全体で認識合わせを行いながら検討をしていきましたよね。
エンジニアM:
最初は「自分がどんな働き方をしたいか?」といった視点から、コラビットに似せた仮想の会社が「年間●●億円の売上・利益で、メンバー構成がこういう人たちの場合、どういった給与分配をするのが適切か?」といったケーススタディもありましたね。
藤本:
そうですね。一般社員が、自分だけではなく組織目線で他者を評価することはありませんので、良い視点をもらえたと思っています。検討する中で、社員間でも大きなズレが出なかったことは、これまでのコミュニケーションでコラビットとして大切にしてきたことが、みんなの中にも自然と浸透していた証拠でもあったんだ、と再認識しましたね。
– 検討していく中で、自分とコラビットという会社の捉え方で変化はありましたか?
藤本:
事業の成果に対して、自分が思っていた以上に社員に還元してくれようとしている会社だと感じましたね。また、こういった人事制度の決定を社員に委ねてくれているので、社員の自主性を認めてくれる会社なんだと再認識しました。
エンジニアM:
なかなかありませんよね(笑)。私も、改めてコラビットという会社がどんな価値観を持った会社なのか言語化されていきましたし、自分がコラビットのどの部分を気に入っているかも客観的に理解することができたように思います。
– 最終的に、どのようなコンセプトの人事制度になったのですか?
藤本:
これまでの裁量権と成果主義の要素は残しながらも、ポジションと役割、成果と報酬、これらの関係が、これまでよりも明確になったと思います。評価内容がより明確になり、それが昇給・昇格にどう影響しているのかがはっきりと見える化できましたので、何ができるようになれば昇給・賞与を増やすことができるのか明確になり、頑張る方向を見通しやすくなた気がしますね。そういう意味では、透明性の高い評価制度、報酬制度になっていると思っています。
エンジニアM:
そうですね。これまでも大切にしてきた「結果を出した人にしっかり報いられる」というカラーは残っていると思いますし、昇格基準も明確になっていると思います。成果を出すことは前提として、リモートワークや副業、フレックスタイム制など社員の自主性を信じてもらい、働きやすい制度環境だと感じていますので、改めて「頑張らないと!」と身が引き締まりましたね(笑)。
藤本:
たしかに。自分たちで決めたからこそ、そう思えますよね。一人ひとりがプロでありながらも、チームとしても協力して、一緒に成長していきたいですね!
大切なのは、主語を「私たち(We)」にするプロセス
人事制度作りでは、最初に参加した社員のみんなで「どんな人になりたいか・なりたくないか」といった個人の価値観の棚卸しからスタート。そして、個々の考えをすり合わせた上で「コラビットという会社としてはどうか?」と会社視点に展開させていきました。
一人ひとりがキャリアを考えたり、それを社員間で共有することは貴重な機会です。ミッションとしては人事制度策定がゴールですが、集まったメンバーの価値観を共有でき、チームビルディングにも寄与したことは、新・人事制度を考えるにあたって大切なベースとなりました。そういったプロセスの中で、I(私)からYou(あなた)、そしてWe(私たち)と思考の範囲を広げ、独りよがりではない、自分も仲間たちも、そして会社もWinになる視点のもと納得性の高い人事制度を作り上げていきました。
これまで知らなかった人事の仕組みや理想だけでは叶わない法律の壁など、無知な状態から知るというプロセスを経ることによって、現実面に直視することもあるでしょう。しかし、世の中の社会問題においても、これと同じように様々な障壁が立ちはだかります。そんな時に、自分たちの理想は失わずに前進することが大切です。結果、コラビットに参画するメンバーが、自分たちが最もパフォーマンスを発揮できると考えた制度ができあがったのですが、今回のプロセスで社員自らが会社に向き合ってくれたことは、必ず本業にも繋がってくるはずです。
無いなら、みんなで創ればいい
人事評価制度は、本来なら「どのような頑張りをすれば評価を受けるのか」といった頑張りのベクトル合わせのためにあるものです。しかし、多くの企業では運用シーンで当初の目的が失われ、評価のための評価になっているケースが散見されると聞きます。
人と会社の成長のベクトルが合致し、自分の頑張りが会社の成長と自身のキャリアにつながっていく。そんなすり合わせが必要なのですが、目標設計段階ではなく、評価査定をするタイミングになって「そういえば、設定した目標ってなんだっけ?」と思い出すこともしばしばです。
自分がせっかく費やす人生の時間。その多くの時間を当てる会社に、社員自身が関心を持てないことも形骸化の一因でもあると思っています。経営者が一方的に人事制度を策定して、現場に降ろすのではなく、自分で創るからこそ自分のものになる。究極の自分ゴトとは、自分たちでやること。20名という組織規模だからこそできることでもありますが、無いなら、みんなで創ればいい。組織が大きくなったとしても、そんな価値観を大切にしたいと考えています。
■プレスリリース
不動産テック「コラビット」社員だけ(役員・人事部除く)で作成した人事制度を導入
〜週休4日の働き方も選択可能に〜
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000014770.html
Written by Keisuke Dojo